SSブログ

セミ

昔読んで爆笑したので取っておいたネタですが、
やっと時間が出来たのでミクシに書きました。
折角長時間かけて打ち込んだのでこっちにも保管しておきます。

セミA 「イヤーようやく外に出てこられましたなー僕ら」
セミB 「土の中の七年間、長かった!!」
セミA 「何度か脱走を試みたんですけどね、地上寸前でいつも捕まるんですよね」
セミB 「ほんと、古くからのしきたりかなんか知りませんけど、
  この制度なんとかなりないんでしょうか。って
  今から改善されたとしても僕らにはもう関係ないんですけどね。
セミA 「そ。あと一週間で死ぬからね。」
セミAセミB 「ふじょーりーふじょーりー」
セミB 「でも僕らはまだ七年でよかった方ですよ。」
セミA 「と、言いますと?」
セミB 「北アメリカの方じゃ、なんでも十七年も
  土の中から出られない制度があるらしいですよ。」
セミA 「じゅ、十七年ですか!?高二じゃないですか!?」
セミB 「そう。高二までずっと土の中ってイヤですよね!」
セミA 「十七年間土の中にいて、やっと出てきたと思ったら
  一週間で死んじゃうわけですか!?」
セミAセミB 「ふじょーりーふじょーりー」
セミA 「それに比べたら僕らまだ幸せですかねー。」
セミB 「でも土の中とは言え僕らより
  全然長生きするわけですから、
  どっちが幸せとか一概に言えませんけどね。」
セミA 「でも十七年間土の中にいるよりはマシでしょう。」
セミB 「そうですかねえ。
  ところでオタク、七年間何して過ごしてました?」
セミA 「なんっにもやることないですから。
  『ひとりじゃんけん』とかずっとやってましたよ。」
セミB 「『ひとりじゃんけん』」って!?
セミA 「いや、右前足と左前足でひたすらジャンケンするだけですセミけどね。
  全然勝負つかないですから延々やっていられますよ。」
セミB 「つーかグーチョキパー出せないでしょうが!
  二人でやっても勝負つかないですよ!」
セミA 「あとは何秒息を止めてられるとか。」
セミB 「ただでさえ息苦しい土の中で息止めてどうするんですか!」
セミA 「 じゃあオタクは何をしてたんですか、七年間」
セミB 「強いてあげれば妄想ですかね、妄想」
セミA 「妄想ですか」
セミB 「地上に出たらあれしよう、これしようって
  考えるんですよ。結構間が持ちますよ。」
セミA「 まず何しようって思いました?」
セミB 「まず太陽の光を一杯に浴びて、新鮮な空気を思い切り吸い込むんです。
  そして唄うんです。大声で。希望の歌を。
  それから大空の中を飛び回るんです。
  僕は自由なんだって。
  そうやって、生きている事を思い切り実感しようって…。」
セミA 「嘘つけよ!それ、ぜってー奇麗ごとだよ!ぜってーーーー嘘!」
セミB 「決めつけないでくださいよ!」
セミA 「もっとあるでしょう?ホントは。
  雌とイチャイチャして樹液の吸いっこしたいとか。」
セミB 「オタクと一緒にしないでください。」
セミA 「でも、一週間しかありませんからね、
  少しの時間も無駄に出来ませんよ。
セミB 「そうそう。有意義なことしないとね。」
セミA 「手始めに貯金でも始めようかと…。」
セミB 「だからそれが無駄だってのー!
  すぐ死ぬのに貯金してどうするんですか!
  金なんて使ってなんぼですよ!」
セミA 「そうですかあ、じゃあ、あれ。あれ読んでみたかったんですよ。」
セミB 「なんですか?」
セミA 「週間マンガ雑誌。日本じゃえらい人気らしいじゃないですか!」
セミB 「いや、読むのはかまわないんですけどね、
  お宅、来週号が出る頃にはもうしんでますよ。」
セミA 「あっ!」
セミB 「『あっ』じゃないっつの」
セミA 「それじゃ続きが気になって死ぬに死ねませんね。
  じゃあ月刊誌にします。」
セミB 「おんなじだっての!」
セミA 「じゃあどうしろっていうんですか!!あれもダメこれもダメって!
  こうなったら自殺しますよ!。」
セミB 「一週間後に死ぬんですから自殺はやめましょうよ。」
セミA 「じゃあ人間共におしっこひっかけて回りましょうよ。
  あいつら、一週間しか生きられない僕らをわざわざ昆虫採集とかいって
  捕まえようとしますから。」
セミB 「まあそれはそれでアリですけど、なんか虚しくないですか?
 どうせならいいことしましょうよ。」
セミA 「いいことですか?」
セミB 「パトロールですよパトロール。今の世の中物騒ですからね。
  仲間を大勢集めて空中を絶えずパトロールするんですよ。」
セミA 「ふうん…。」
セミB 「それで怪しいヤツがいたらみんなで一斉に取り押さえる。」
セミA 「うん…。」
セミB 「僕らの力で少しでもこの世から犯罪がなくなれば」
セミA 「はあ…。」
セミB 「あれ?あんまり乗り気じゃないですね。」
セミA 「なんか、面倒くさい。」
セミB 「だっていいことしたら、
  来世はもっと長生きできる生物に生まれ変われるかもしれないですよ。
セミA 「生まれ変わりなんて信じてんの?死んだら『無』ですよ。『無』。
  なーんにも無いですよ?」
セミB 「ほんと、夢がないねえオタク」
セミA 「大体、一週間しかないのに誰かの為に生きるって
  馬鹿馬鹿しいじゃないですか。」
セミB 「そうですか?人のために命を懸けるのもまんざらじゃないとおもいますけどねえ。」
セミA 「じゃオタクはそうしたらいいですよ。
  僕はね、違う事しますよ。」
セミB 「え、何するんですか?」
セミA 「僕はね、何もしない」
セミB 「何もしない!?」
セミA 「何もしないことこそが究極の贅沢ですよ!
  デッキチェアーに腰掛けて、ただただ海をボーッと眺める。
  寄せては返す波に人生のわびさびを感じながら。」
セミB 「あ、それ良いですね!僕も乗ります!
  どうせ一週間で死ぬんだし、ジタバタしてもしょうがないですもんね。
  そうしましょう!」
セミA 「初めて意見が合いましたね。」
セミB 「しかしそれにしても、なんで僕ら一週間しか生きられないんですかね?
セミA 「さぁ…。なんでなんですかね?」

大好きな「ドリル園児」から写しました。
みんな買ってね!

体重91.3㎏
体脂肪率31.9%
11:30計測


nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:お笑い

nice! 0

コメント 2

ねぇさん

不条理・・・笑

お久しぶりです。面白かったです。
爆笑って言うより「ニヤッ」っとしてしまう感じでした。

でも、周りにセミ嫌いが多いので、なんか切ないです。
by ねぇさん (2007-01-29 16:04) 

大岡川三十朗

ねぇさん様
おひさしぶりです!
お元気ですか?

結構気に入ってるコミックですが
連載終わっちゃいました。
シクシク
by 大岡川三十朗 (2007-02-09 15:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

柿島屋に行ったよラジオの時間 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。